「仕事が多すぎて定時に終わるわけがない」——そんな声が飛び交う職場で、私はひっそりと定時退社を目指していた時期があります。
独身でフルタイム勤務だったあの頃の話です。今は時短勤務になりましたが、あのときに身につけた働き方が、今もずっと自分の土台になっていると日々実感しています。
地獄の繁忙期、到来
その時期の仕事量は、正直、常軌を逸していました。
一つずつ丁寧にこなしていたら、絶対に間に合わない。複数のタスクを同時並行で動かさなければ、締め切りに到底追いつかないほどの量が、毎日容赦なく押し寄せてきました。
普通なら「これは残業するしかないな」と諦める状況です。
でも、私はそこで逆の発想をしました。
定時から「逆算」する
鍵になったのは、優先順位と逆算思考です。
「今日やらなければならないことは何か?」ではなく、「定時までにできることは何か?」という視点で、朝一番にタスクを並べ直しました。
重要度と緊急度を軸に一つずつ順番を付け、終業時間という”締め切り”から逆算して仕事をスケジューリング。ダラダラと仕事をしている余裕はない。だからこそ、集中力が研ぎ澄まされていきました。
1日100本の電話対応、しながら。
そしてこの繁忙期、追い打ちをかけるように1日約100本の電話対応もこなしていました。
実はこれ、ただ電話を取るだけではなく、会社の電話交換の役目も兼ねていました。かかってきた電話を担当者へ取り次ぐだけでも最低1分はかかる。そして取り次いだ相手が不在だった場合は、用件をしっかり伺って伝言を承るので、1本あたり5分ほどはあっという間に消えていきます。
100本 × 平均数分——計算するだけで恐ろしい。
電話が鳴るたびに思考が遮断される。折り返し対応が積み重なる。それでも、電話と通常業務を両立させながら、タスクをひとつひとつ片付けていく。
「これは無理ゲーでは?」と思いながらも、なぜか燃えていました(笑)。
デスクの山が消えた瞬間の、あの快感
繁忙期のデスクは、まるで書類の要塞です。
積み上がった資料、処理待ちの案件、返信すべきメール——それらが、時計の針が18時を指す直前にすべてなくなった瞬間のあの気持ちは、今でもはっきり覚えています。
「終わった……全部、終わった。」
達成感が半端じゃない。もう、じわじわと全身に広がってくるんですよね、あの感覚。残業なしで、あの山をゼロにしたという事実が、また格別の満足感を生むんです。
定時退社って、ゴールに向かうゲームみたいで、実はけっこうアドレナリン出ます。
「残業しない美学」とは何か
残業しないことは、決してサボりではありません。
限られた時間の中で最大のアウトプットを出す、ある意味で最高難度の仕事術だと私は思っています。
制約があるから工夫が生まれる。タイムリミットがあるから集中できる。そしてその制約の中でデスクをゼロにしたとき——あの達成感は、残業してヘトヘトで帰るときとは、比べ物にならないほどの爽快感があります。
あれから時が経ち、今は時短勤務という新たな「制約」の中で働いています。使える時間はさらに短くなった。でも不思議と焦りはない。逆算思考も、優先順位の付け方も、あの怒涛のフルタイム時代に体で覚えたことが、今もちゃんと機能しているから。「あのときよりタスクが少ない分、余裕でしょ」なんて思えるくらいには、鍛えられました(笑)。
フルタイムで限界まで試行錯誤した経験って、どんな働き方になっても消えないんですよね。むしろ時短になったからこそ、その価値をより強く実感しています。
まとめ
……と、ここまで書いておいてなんですが。
繁忙期に約100本の電話を受けながら、山積みの仕事を定時で終わらせることに燃えていた自分って、客観的に見ると——
「どエムですよね。。。笑」
わかってます、わかってます。追い詰められるほど燃えるタイプ、というやつです。
でもね、あの達成感を一度でも味わったら、やめられないんですよ。
そしてご褒美にいつも購入していた定時退社のあとのプリンが、世界一おいしいんです。
もしあなたも繁忙期に悩んでいるなら、一度「逆算思考」で定時ゴールを狙ってみてください。ひょっとしたら、あなたの中にも眠っているどエム気質が目覚めるかもしれません(笑)。
定時退社は、戦略です。美学です。そして——ちょっとだけ、変態です。

